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『陶芸家のおくさんのやきもの豆ちしき』電動ろくろ ⑥高台削り

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① 菊練り ② 土殺し ③ いよいよ作ってみましょう! ④立ち上げる ⑤なめし・形を整えて仕上げる。⑥高台削り
 前回までで、ろくろでの形は出来上がりました。
まだ続きがあるの ? と思われたことでしょう。まだまだあります。ろくろで出来上がった作品を、ひっくり返しても口元の形が変わらないくらいまで乾燥させます。ひっくり返して何をするかというと、高台という部分を削り出していかなくてはなりません。
 器の底の部分に丸い輪のようなものがついていますが、これが高台です。卓上などでの安定を主目的としています。
 高台の高さや直径でその器の持つイメージも随分違います。例えば高台が高いと高価な器に見えたり、子供さんが使うようなものはより安定するように高台を広くしたりして工夫します。
 写真は芯出し機を使って、高台削りの作業をしている様子です。芯出し機を使うのは作品を中心に固定するためで、多くの陶芸家の皆さんは粘土で固定して削りの作業をなさっているようです。伝統ある窯元さん方は芯出し機は邪道だ! と思われる方もいらっしゃるでしょうが、うちのダンナさんは便利なものはどんどん使おう! タイプなので、どんどん取り入れてます。
 この、高台削りは器の底の部分を削るので、ご想像通り削りすぎると底に穴があいてしまう繊細な作業です。陶芸をやり始めた頃は穴があいてしまうと植木鉢に変身させてましたが、植木鉢もそんなに必要ないので、うまく削る努力が必要です。穴が開かないように、厚めに削ればいいじゃないの ? と、思われたあなた!  底の部分だけ厚く口の部分は薄いなど、全体の厚みのバランスが取れてないと、粘土が乾く段階で引っ張り具合が違ってしまうので、割れてしまうのです。何事もバランスは大事ですね。
 私達夫婦はダンナが形を作り、私が絵付けをするというようなバランスで作っています。決しておのろけではありませんが、普段よりバランスのとれたいい夫婦です。この『豆ちしき』ダンナさんも読んでいるので・・・。

『陶芸家のおくさんのやきもの豆ちしき』電動ろくろ ⑤なめし、形を整えて仕上げる

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① 菊練りをして、② 土殺しができたら ③ いよいよ作ってみましょう! ④立ち上げる ⑤なめし、形を整えて仕上げる。
 前回は、ろくろのメインイベント立ち上げるところまででした。厚みを均一にして立ち上がったら、一度なめし皮をかけます。なめし皮とは鹿の皮でできており、器の口元をなめらかにする役割と粘土をしめる役割があります。あんまり薄くてとがっている感じだと口が切れてしまいそうなので、ここはぷっくらと口当たりの良いように整えるます。写真は、なめし皮をかけているところですが、肝心のなめし皮は手で隠れて見えてません。残念 ! つまんでかける感じです。
 なめしをかけたら、ここから形を整えていきます。
丸っこいとかすぅーとシャープな形とか自分の好みの形に整えます。整ったら、さぁ出来上がりです。ゴールは間近に見えてきました。後は切り離すのみです。
 切り糸で切るのですが、切り糸とは片方に木の棒がついており文字通り糸でできてます。下の写真をよ〜くみると糸が見えてますが、これまたわかりにくいです。糸をくる〜っと回して切ります。切り離せたら両手で持ち上げて、板の上へ移動します。この、持ち上げる時、グシャっと変形しないよう一番下の方を持ち上げます。これで、出来上がりました。
 器ひとつ作るのにこんなに工程があるものかと驚かれた方もいらっしゃるでしょうが、慣れてくると湯のみくらいの大きさで、電動ろくろに粘土をのせてからここまでの工程を3分くらいでやってしまうので、本当に一瞬でできてしまいます。この一瞬に全神経を集中して作陶しております。
 陶芸のシーンが出てくる『ゴースト』という映画をご存知でしょうか? 恋人同士で電動ろくろを回すロマンティックなシーンがあるのですが、外国からの体験の方で、いきなり携帯でゴーストの音楽をかけ、映画のワンシーンのようなカップルがおられました。私は居場所をなくし、『なんてこった』となった事があります。ゴーストはとても素敵な映画なのですが、少し苦い思い出を思いだしてしまいました。陶芸をやる時は集中してやるようにしましょう!

『陶芸家のおくさんのやきもの豆ちしき』電動ろくろ ④立ち上げる

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① 菊練りをして、② 土殺しができたら ③ いよいよ作ってみましょう! ④立ち上げる
 前回は親指でくぼみをつけ、底をしめて立ち上げたところまででした。
 ここから、ろくろの真骨頂とでもいうべきところでしょうか。一番大事なメインイベントです。片手を外側に添え、器の中に入れたもう片方の手を中と外で合わせるようにして下から引き上げていきます。ここが難しい! 力の加減がわかるまでに時間がかかると思います。強すぎると粘土を引きちぎってしまい、弱いと粘土がうまく伸びていきません。また、右利きの方が多いので右手の方に力が入ってしまい、だんだん広がっていってしまいます。左手は右手より少しだけ力を強く入れて、なるべく広がらないよう上に上に伸ばしましょう。ぶれずに伸ばすには、左足に左手をつけて、左手に右手をつけて固定できるようにします。伸ばす位置は時計の7時から8時の位置で伸ばしていきます。ただし、これは私と旦那さんのやり方で、この伸ばす位置、伸ばす手の組み方等は人それぞれです。基本ができていれば、自分のやりやすいやり方を見つけてください。体験では、この辺りまでくるとたいがいシーンとなりろくろの回る音だけが工房にひびいてきます。難しい〜! 楽しい〜! できない〜! なんて騒いでいた方々が真剣に無心になる瞬間で無口になる方が多いようです。陶芸家気分になれるひとときです。こんな瞬間を味わってみませんか ? 

『陶芸家のおくさんのやきもの豆ちしき』電動ろくろ ③ いよいよ作ってみよう!

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① 菊練りをして、② 土殺しができたら ③ いよいよ作ってみましょう! 
 作りたいものを決め、底の直径を決めたら土どりをします。土どりは今から作る器に必要とされる粘土の分量を決めることです。作る器に合わせて、指でくびれを作ってあげます。土どりができたら、両手で包み込むように粘土を持ち親指を中心に当てくぼみを作ります。この時、中心からずれないように気をつけます。底の部分を親指でしっかりしめたら親指と外側の他の指でつまむようにして立ち上げます。
 写真は親指でくぼみを作ろうとしているところと、底をしめてつまむようにして立ち上げてるところです。
 ろくろは、回転しているので、その回転にまどわされず決してあせらず、落ち着いて粘土と向き合えば上手くいきます。私が体験で思うことは、上手に作ってやろう! とか考えない素直な方がすぅーと何気に上手く作ってしまいます。何も考えず、ろくろに集中してください。そんな時間が脳に良いらしいです。粘土を触っているだけで何だか心落ち着きますねという方も多いです。子供の頃の泥遊びを思い出すのでしょうか ?

『陶芸家のおくさんのやきもの豆ちしき』電動ろくろ ②土殺し

土殺し1土殺し2(回転90)
前回は菊練りでした。今回は土殺しです。なんだか怖いネーミングですが、粘土をろくろの上で中心にもってくる作業のことです。ろくろの中心に粘土を据えて、両手で下の方から締め上げるように引き上げます。この際、どこに力を入れればいいのか? 何度も何度も繰り返し練習するしかないです。何度でも何度でも何度でもやるよ〜♪とドリカムの歌にのせて練習に励みました。ここで、なんとしてでも、粘土をろくろの中心に持ってこないと、この後、上手くいきません。菊練りも土殺しも数をこなして慣れるしかないようです。ふと自転車に乗れる瞬間があるように、あっ出来た!!と思う瞬間があります。そうなればこっちのものです。私は自転車に乗ることができないので、想像ですが・・・
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